評価方法と評価基準

~超音波で生活習慣を客観的に評価することが出来る~

13年間で2万人以上のお腹の観察とヒアリングを行って作った
生活習慣の客観的評価方法

体幹の構成要素を評価する

体幹の大きさ(腹囲)を形成する要素は“皮下脂肪”と“腹筋”と“内臓脂肪”の3つです。

この3つの要素を超音波で画像化し、個人の本来の体の大きさからどれくらい膨らんでいるかを測定することにより評価します。


評価基準

決められた測定体位、測定部位、測定方法により評価された判断基準は以下の通りになります。

【内臓脂肪評価】

主に食べ過ぎレベルを判断する基準になります。摂取量と消費量の差を表す指標です。

あまり食べなくても消費量が少ないと食べ過ぎレベルは高くなります。逆に食べる量が多くても消費量が多ければ食べ過ぎレベルは高くなりません。また、食事の質やパターンおよび個々の基礎代謝量によっても変わってきます。

右側に示している%表示はそれぞれの内臓脂肪レベルの分布になります。50%以上の方は8mm以下の数値になります。

 

【皮下脂肪評価】

見た目に大きく影響する皮下脂肪の厚みを表す指標です。

皮下脂肪が多い人や落ちにくい人の共通点は、果物やお菓子などの甘いものを多く食べる人や有酸素運動をしないなどの活動量の少ない人に多い傾向にあります。また、内臓脂肪が多い人も皮下脂肪がなかなか落ちにくい傾向にあります。

 

 

 

【腹直筋形態】

腹筋の形態から判断する体幹筋の衰えを表す指標です。腹筋の形態が崩れていくと、腹筋の厚みがあっても脂肪量が少なくても、体幹が広がりクビレのないだらしない体型になっていきます。また、衰えが強くなると腰の痛みを訴える方もいます。日常的な筋トレで維持することが必要です。

 

事例紹介

 

実際には数百種類以上あるエコーの写真を元に分かりやすいパターンの幾つかをお腹の写真とともに解説します。

気になるパターンをすぐに見たい方は下記のリンクをお使いください。

 

理想パターン

皮下脂肪も内臓脂肪も少なく、腹筋も厚く、左右の腹直筋の接合部からの立ち上がりが上向きに丸みを帯びています。これがエコー画像上での理想的なパターンで、実際のお腹の見た目もしっかりとしたクビレが出来ています。

 
 

 

アスリートパターン

皮下脂肪と内臓脂肪がほとんどなく、エコー画像上の大部分を腹筋が占めています。腹直筋はかなり厚く、一般的には紡錘状の形をしている腹直筋ですが、この方はほぼ四角形に近い形にになっています。いわゆるアスリートパターンで見た目上のシックスパックに割れているお腹の内部はこのようになっています。

 
 

 

男性メタボパターン

内蔵脂肪が多いのが一目瞭然です。食生活不良のパターンです。特記すべきは、増えすぎた内臓脂肪により左右の腹直筋が外側に押し広げられて離れているのが確認できると思います。これがいわゆるポッコリとお腹が前に出る男性のメタボパターンになります。

 
 

 

女性メタボパターン

皮下脂肪も内臓脂肪もかなり多いです。しかし、それより問題なのは、左右の腹筋のくびれが無くなり一直線に伸びて繋がっている状態であることです。かなり腹筋が弱っていることが推測され、腹筋の弱りによって体幹が広がってしまっている状態です。また腹筋の輝度も高くなっており、これは長期間の運動不足が原因であることが考えられます。

 
 

 

左右非対称パターン

皮下脂肪と内臓脂肪は多く、前提としてかなりの生活習慣不良があることは明確ですが、もう一つ問題があります。左側の腹筋の厚さが右側の腹筋の厚さの倍以上あることが確認できます。かなりの左右差です。ここまで左右差があると、実際のお腹の写真でもおへその位置が左側に引っ張られているのがわかります。日常的に身体の使い方に問題があることが推測されます。

 
 

 

腹筋離れパターン

皮下脂肪と内臓脂肪は少ないです。しかし内臓脂肪が少ないにも関わらず、左右の腹筋が離れています。このようなパターンはヨガをやっている方に比較的多く、腹直筋よりインナーマッスルを擁する側腹筋が強くなっており、腹直筋が外側に引っ張られて離れている可能性が考えられます。実際のお腹の見た目は体の前後には薄くなりますが、ウエストのくびれが少ない傾向になるようです。

  サンプル17-5
  サンプル17-5g

 

胃もたれパターン

元々かなり体を鍛えている方で暴飲暴食をしているとこのようなパターンになります。内臓脂肪が多いにも関わらず、硬い筋肉のおかげでお腹は前に出ていないのですが、そのため過剰な内臓脂肪が内側の臓器を圧排する形になります。食事により胃にモノが入ると、ぎっしり詰まった内臓脂肪が広がろうとする胃を圧排するので、胃もたれしやすい傾向があります。

  サンプルo
  サンプルo-g

 

短期食べ過ぎパターン

少しわかりにくいですが、エコー画像は少ない内臓脂肪を拡大しています。特徴的なのは内臓脂肪の総量は少ないのですが、短期間の食べ過ぎにより急激に増えた内臓脂肪が臓器を圧排している状態です。ここ数週間程度の短期間の食べ過ぎ状態を表しているパターンです。このまま食べ過ぎ続けると体幹が徐々に広がっていきます。

 
 

 

同じ体格2人の比較

この2人はほぼ同じ身長、体重の女性で洋服を着た見た目はほぼ同じ体型に見えます。しかし実際のお腹の見た目は、白服の方はウエストがくびれていますが、茶服の方はあまりくびれていません。
この二人の違いは腹直筋の形の違いです。
白服の方の腹筋は左右の腹直筋接合部の立ち上がりが上に盛り上がっていますが、茶服のほうは盛り上がりがなく真っ直ぐしているのが分かると思います。このままだと茶服の形は将来的に体型が崩れていくことが推測されます。

 
 
 
 

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