内臓脂肪の測り方は何がある?体組成計・CT・エコーの違いと職場で選ぶポイント
内臓脂肪は、見た目や体重だけでは分かりにくい脂肪です。そのため「どうやって測ればいいのか」「体組成計の数値は信頼できるのか」と迷う方も多いのではないでしょうか。この記事では、内臓脂肪の主な測り方である腹囲・体組成計・CT・エコー(超音波)について、それぞれ何が分かり、どこで測れるのかを比較します。あわせて、職場で内臓脂肪を測るときに選ぶポイントを、企業のご担当者さま向けにまとめました。
そもそも、なぜ内臓脂肪を測るのか
内臓脂肪は、お腹の内側の臓器のまわりにつく脂肪です。皮膚のすぐ下につく皮下脂肪と違って外からつまむことができず、体重や見た目が標準でも多くたまっている場合があります(いわゆる隠れ肥満)。内臓脂肪がたまった状態は、生活習慣病のリスクと関わりがあるとされています。
日本肥満学会の基準では、腹部CTで測った内臓脂肪面積が100cm²以上の場合を「内臓脂肪型肥満」としています。ただ、CTは誰でも気軽に受けられる検査ではありません。そこで目的や場面に応じて、さまざまな測り方が使い分けられています。内臓脂肪と皮下脂肪の違いは、エコー画像で解説した記事で詳しくご紹介しています。
内臓脂肪の主な測り方4つ
| 測り方 | 分かること | どこで測れるか |
|---|---|---|
| 腹囲 | おへその高さのお腹まわりの長さ | 健康診断、自宅 |
| 体組成計 | 内臓脂肪レベルなどの推定値 | 自宅、ジム、薬局、健診など |
| CT | お腹の断面画像から測る内臓脂肪面積 | 医療機関 |
| エコー (超音波) | 画像で見る脂肪の厚み | 医療機関、職場の測定会など |
1. 腹囲(ウエスト周囲長)——いちばん手軽な目安
メジャーで、立った状態でおへその高さのお腹まわりを測る方法です。特定健診(いわゆるメタボ健診)でも使われており、男性85cm以上・女性90cm以上が、内臓脂肪面積100cm²に相当するおおよその目安とされています。
- よい点:道具はメジャーだけで、いつでもどこでも測れる
- 注意点:皮下脂肪も含めたお腹まわりの長さなので、内臓脂肪だけを見ているわけではない。体格によっても数値の意味が変わる
2. 体組成計——自宅で変化を追いやすい
体に微弱な電流を流し、電気の通りやすさ(生体電気インピーダンス)から体の組成を推定する方法です。家庭用の体重計にも「内臓脂肪レベル」を表示する機種が多くあり、医療機器として承認された内臓脂肪計は人間ドックなどでも使われています。
- よい点:手軽に何度でも測れるため、日々の変化を追いやすい
- 注意点:あくまで推定値で、体内の水分量や食事・入浴・時間帯などで数値が変わりやすい。毎回同じ条件で測るのがコツ
3. CT——内臓脂肪を測る標準的な方法
X線でお腹の断面を撮影し、画像から内臓脂肪の面積を測る方法です。内臓脂肪型肥満を判定する基準もCTでの面積をもとにしており、内臓脂肪を測る標準的な方法とされています。
- よい点:内臓脂肪の量を面積として詳しく評価できる
- 注意点:医療機関で受ける検査で、X線による被ばくを伴う。気軽に繰り返し測る用途には向かない
※同じく断面画像で評価できるMRIもありますが、検査時間や費用の面から、主に医療機関や研究で使われています。
4. エコー(超音波)——その場で画像で見られる
お腹にプローブ(超音波を出す機器)を当て、皮膚の下の様子を画像で確認する方法です。脂肪の層を画面に映し、その厚みから状態を評価します。X線を使わないため被ばくがなく、持ち運べる機材なら医療機関以外の場所でも実施できます。
- よい点:自分のお腹の中を画像で見ながら説明を受けられるので、結果を実感しやすい。被ばくがなく、くり返し測って変化を比べやすい
- 注意点:CTの「面積」とは指標が異なる。また、当てる位置や角度で見え方が変わるため、測定者の技術と測定方法の統一が大切
職場で内臓脂肪を測るなら——選ぶときの5つのポイント
健康経営や福利厚生の一環として、職場で内臓脂肪を測る機会をつくる企業が増えています。測り方を選ぶときは、次の5つの観点で比べると判断しやすくなります。
- 職場に持ち込めるか——会議室等で実施できるか。CTのように医療機関でしか受けられない方法は、職場のイベントには向きません
- 安全にくり返し測れるか——施策の前後で変化を比べるなら、再測定しやすい方法が向いています
- 本人が実感できるか——数値だけでは行動が変わりにくいことがあります。画像や説明で「自分ごと」として受け止められるかが重要です
- 結果を次の行動につなげられるか——その場での説明、生活習慣のアドバイス、保健指導などの社内支援への橋渡しまで含めて考えます
- 人数と時間に合うか——1人あたりの所要時間と、何人まで対応できるかを確認しておきます
目的別:どの測り方が向いているか
| 目的 | 向いている測り方 |
|---|---|
| 全員の目安を毎年確認したい | 腹囲(健康診断で測定済みのことが多い) |
| 自宅で日々の変化を追いたい | 体組成計(同じ条件で継続して測る) |
| 医学的に詳しく評価したい | CT(医療機関で受ける) |
| 職場で気づきのきっかけをつくり、施策の前後で変化を確かめたい | エコー(超音波)による測定会 |
どれか一つが優れているというより、目的に合わせて使い分けるのが基本です。たとえば、健康診断の腹囲で気になる結果が出た従業員に、職場の測定会で画像を見てもらい、生活習慣を見直すきっかけにする——といった組み合わせも考えられます。気になる結果がある場合は、医療機関で相談することも大切です。
お腹ソムリエの場合:エコーで「見て、分かる」測定会
当社の「お腹ソムリエ」は、超音波(エコー)画像で内臓脂肪も可視化できる測定です。みぞおちにプローブを当て、内臓脂肪・皮下脂肪・腹筋の状態をあわせて確認し、その画像から食べ過ぎや運動不足といった生活習慣の傾向をお伝えします。測定は1人あたり約5分で、結果はその場で生活習慣分析レポートとしてお渡しします。
機材は持ち運べるため、社内の会議室等で実施できます。なお、お腹ソムリエは医療行為や診断ではありません。身体の状態への気づきを促し、生活習慣の見直しや既存の健康支援につなげるための評価サービスです。職場での実施の流れや準備、費用は、企業向け「内臓脂肪測定会」の始め方で詳しくご紹介しています。
よくある質問
Q. 体組成計の「内臓脂肪レベル」は正確ですか?
体組成計の値は、電気の通りやすさから計算した推定値です。体内の水分量や食事、時間帯などで変わりやすいため、1回の値で判断するより、毎回同じ条件で測って変化の傾向を見るのに向いています。
Q. エコーで内臓脂肪は測れますか?
エコー(超音波)では、お腹の中の脂肪の層を画像で確認し、その厚みから状態を評価できます。CTで測る内臓脂肪面積とは指標が異なりますが、被ばくがなく、その場で画像を見ながら説明を受けられるのが特徴です。
Q. 腹囲が基準内なら、内臓脂肪は心配ありませんか?
腹囲は手軽な目安ですが、皮下脂肪を含めたお腹まわりの長さです。体格によっては、腹囲が基準内でも内臓脂肪が多い場合があります。詳しくは隠れ肥満の記事をご覧ください。
Q. 職場で内臓脂肪を測るには、どうすればいいですか?
持ち運べる機材で測定する事業者に依頼し、社内の会議室等で測定会を開く方法があります。お腹ソムリエの場合の流れや準備は内臓脂肪測定会の始め方でご紹介しています。
まとめ:目的に合わせて、測り方を選ぶ
内臓脂肪の測り方には、手軽な腹囲、自宅で変化を追いやすい体組成計、標準的な方法であるCT、その場で画像で見られるエコーなどがあり、それぞれ得意なことが異なります。職場で測るなら、職場に持ち込めるか、くり返し測れるか、本人が実感できるか、次の行動につなげられるかが選ぶポイントです。
「職場で内臓脂肪の測定会を開きたい」「お腹ソムリエについて知りたい」など、下のお問い合わせからお気軽にご相談ください。
参考資料
- 日本肥満学会「肥満症診療ガイドライン」(内臓脂肪型肥満の判定基準)
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「内臓脂肪型肥満」
職場での内臓脂肪測定をご検討中の企業・自治体さまへ
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