コラム

「もっと早く来ていたら」をなくしたい——看護師だった私が、企業の健康支援に取り組む理由

お腹ソムリエの測定で、超音波画像をその場で本人に見せながら説明する様子

はじめまして。株式会社HIL代表の小熊美嘉です。私は17年間、看護師として医療の現場に立ってきました。その私がなぜ病院を離れ、企業の健康支援という道を選んだのか——「お腹ソムリエ」というサービスの原点にある想いを、お話しさせてください。

医療現場で繰り返し見た、「もっと早く来ていたら」

急性期病棟や訪問看護の現場で、私は何度も同じ場面に立ち会いました。病気が見つかったご本人やご家族が、「もっと早く来ていたら」と悔やむ姿です。

医療は、病気になった方を全力で支えます。しかし、その方が病院に来る「前」の時間には、医療の手は届きません。この場面に立ち会うたびに、私の中に違和感が積み重なっていきました。この人たちが、ここに来る"前"に、何かできることはなかったのか——と。

医療・介護の現場のベッド。訪問看護や病棟で患者と向き合ってきた原点

正しい情報だけでは、人は変われない

看護師として痛感したことがあります。人は、正しい健康情報を与えられただけでは行動を変えられない、ということです。

健診結果の数値も、生活指導の内容も、頭では分かっている。それでも変われない。人が本当に変わるのは、自分の体の状態を、腹の底から実感した瞬間です。しかし病院でその「実感」が訪れるのは、多くの場合、すでに病気が見つかった後。それでは遅いのです。人生が変わってしまう前に、立ち止まれる場所が必要だと考えるようになりました。

医療の「外側」へ——独立という選択

とはいえ、看護師という肩書と安定した仕事を手放す決断は、簡単ではありませんでした。独立を考えたのは、シングルマザーとして子どもを育てる時期とも重なっていました。周囲からの反対もありました。

それでも決断できたのは、「病気になる前の人に届く仕事は、医療の外側にしかない」という確信があったからです。医療を信頼しているからこそ、医療がまだ届かない場所に立とうと決めました。

なぜ「企業」の健康支援なのか

働く世代にとって、日常の大半を過ごす場所は職場です。多くの企業には健康診断や保健指導の仕組みがあり、制度も情報も十分にあります。それでも行動変容が起きにくいのは、健康が「会社から与えられたもの」になっているからです。

健診結果は「分かってはいるけれど、変えられないもの」として引き出しにしまわれていく。これは従業員の意識が低いからではありません。自分の状態を実感できていないからです。だからこそ、職場という日常の場に「自分の体を実感する機会」を届けたい。それが、企業の健康支援を選んだ理由です。

「お腹ソムリエ」に込めた想い

お腹ソムリエは、超音波画像で内臓脂肪・皮下脂肪・筋肉の状態をその場で「見せる」評価サービスです。モニターに映る自分のお腹の中を見た方は、誰に言われるでもなく、自分の言葉で語り始めます。「最近、食べすぎてたからなあ」「やっぱり運動しないと」——。

この瞬間こそ、私が医療現場でずっと待ち望んでいた「病気になる前の気づき」です。健康は、会社や医療に管理されるものではなく、本人が納得し、自分で選び、自分で育てていくもの。私たちはそのきっかけを渡す役割に徹したいと考えています。

お腹ソムリエの測定の様子。超音波画像をその場で本人に見せながら説明する「見せる評価」

「もっと早く来ていたら」のない未来へ

後悔が生まれる前に、自分の体と向き合うきっかけをつくる。それが私の事業の原点です。

青空に向かって両手を広げる人。健康を取り戻し前を向く姿

生活習慣病をなくし、寿命=健康寿命の未来をつくる——この目標に向かって、企業・自治体の皆さまとともに、一歩ずつ歩んでいきます。私たちの会社について詳しくは会社概要を、事業の考え方は健康経営は何から始めればいい?もあわせてご覧ください。

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